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レナの約束 [図書館に行こう]

先日の『アンネの日記』に引き続き、ユダヤ人の本。
『レナの約束』---アウシュビッツから生還したユダヤ人女性の実話。



レナの約束 (中公文庫)

レナの約束 (中公文庫)

  • 作者: レナ・K. ゲリッセン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/02
  • メディア: 文庫




アウシュビッツで何が起きていたのか。
強制収容所でのガス室の話、生体実験、ユダヤ人を人間以下の扱いにし、
食べ物もろくに与えられないまま、過酷な重労働・・・。
そういったことがあったことを、なんとなく学び、なんとなく知っていた。


この本は3年以上アウシュビッツで過ごした女性の実話で、アウシュビッツで
行われた過酷で狂気なユダヤ人への迫害が生々しく書かれいる。
それは想像以上にむごたらしくて、衝撃を受ける。


レナが生き残ったのは妹を守りたい、妹と共に両親の元に帰りたいという
強い希望があったからかもしれないが、読んでいるうちは生き残ることが
いいことだとはとても思えないのだ。電流の走る鉄条網に自らの身を投げ、
黒焦げになって自殺する人達をどうして弱いと言えるだろうか?
生きるために同じ収容者を出し抜いて食べ物や毛布を奪い合う人達を
どうして弱いと言えるだろうか?


しかし、それでもレナは生き延びた。
レナの賢さはいつも生きる方向に神経が研ぎ澄まされていた。
且つ守るべきものがあり、支えあうことができた。
そして、絶望は絶望なりに希望を捨てきってはいなかった。
「わたしたちは希望なしでには生きられない。だからこそ希望がある」


そんな彼女の手記なので、読んでいてハッとさせられる言葉も多い。


強い意志と理性を持って生き延びたレナだけれど、この話をするのに
50年間を要している。そして二度と語ることもないでしょうと・・・。
二度とあってはならない人間の過ちと歴史。
勇気を出して語られた真実をしっかり受け止めたい。

次はいよいよフランクルの『夜と霧』かな。
これが読みたくて、アンネの日記から読み始めたのだーー。
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