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被災地レポート  [雑感]

さて、知人が被災地に単身ボランティア入りしている。


下記転載の話を聞いた後、NHKのニュースで避難所の方が合唱コンサートを
希望していることを聞きました。
音楽にはココロを癒す力があります。
音楽には勇気づかせる力があります。
もし音楽の力を借りて、私たちで現地の方を応援する方法があるならば、
やってみたいなと思ったわけです。


今日は彼の被災地レポートを転載します。
ちょっと長いです。


~東松島から(1)~ (3月18日)
今日のボランティア有志は5人組です。
まずは昨日の足掛かり、定林寺から東松島市の活動範囲を広げて行こうとの
昨夜のミーティング通りに動き始めました。
昨日は雪だったので人影はほとんどなかったのだけれども、今日は多くの人が
一つの方向を向いていました。


波が来て壊滅した集落がある方向です。
声をかけた老夫婦に案内されて集落を訪れながら、誰も居なくなった集落に
泥棒が入ること、その泥棒が酒を飲んで酔っ払って寝ていたことなども聞きました。
集落の状況は昨日見た七ヶ浜と同じような感じでしたが、違うのは避難場所に
なっていた小学校まで波に飲み込まれてしまったことでしょうか。


避難場所になっている定林寺に移動して、まずは避難者の人数、足りない物資の
情報などを聞き、更に近隣の避難場所を聞いて私は定林寺に残り避難者名簿を
起こして、外に伝えたい伝言があれば聞いて回る役を引き受けました。
残り4人は次の避難場所へ移動です。
こういう形で緊急に必要な物資を聞いて回りながら人を残して避難者名簿と外に
伝えたい伝言を集めて回り、必要物資を取りに戻る時間に現場に残ったものは
名簿と伝言を集めては話を聞き、手伝い、見て回って状況を把握していく。
これが今回の作戦でした。
ただ今回はこれが三ヶ所目で中断でした。緊急に病院へ連れていきたい病人が
居るけれども、救急車が燃料切れで来られなくて困っている現場に遭遇。
予定を変更して病人の搬送、三ヶ所の物資の補給という形で一日の活動を終えました。


今回 私が見聞きして強く感じたのは、メディアの放送に対する自己満足と
自己完結でした。
被災地に入るまで、ニュースやラジオ番組で応援のメッセージや安否情報は
散々聞いてきました。
こんな熱い気持ちが被災地に届けばどんなに勇気付けられるだろうと思っていました。
けれども現地に入って愕然としました。被災地の現場はテレビはもちろん、
ラジオも聞いていないのです。もちろん携帯も使えないしネットも見てません。
電気も来てないし、携帯は圏外だし、電話線が繋がっているわけでもない。
安否情報も、全国からの温かいメッセージも、本当に伝えたい人たちには
届いてないという現実を見てきたのです。


被災地の人たちを本当に勇気付けていたのは、文字でした。
手紙でありメモでありFAXのコピーでした。
ここでも昨日感じたキーワードが頭を過ります。
そうです。『原点回帰』です


~東松島から(2)~ (3月19日)
メディアで放送している映像も音声も、被災地に届いていない。
災害伝言ダイヤルも使える状態にない。
唯一使えるのが紙と文字
この現実を見て私はNHKに電話をしました。
安否確認の放送も、被災地への応援メッセージも、本当に被害の大きい現場には
届いてないんだと。
唯一届けられる手段は紙なんだと
だから、投稿されたメッセージをプリントアウトして、コピーして避難場所に
配布できないのか と。各避難場所への配布はボランティアで賄える。
できることがあればやりたいと思っている人はいっぱい居るんだからと
そう伝えたのです。
残念ながら『検討します』以外の言葉も、その後の連絡もありません。


大事なことはまだまだあります。
外に伝えたい事があれば、書いてもらえれば持ち帰って伝えますと
言うとお年寄りがペンを持って書き出すのです。
戦時中、戦地の兵隊さんに慰問の手紙を書いていた話など聞いた事が
あります。
外からの応援メッセージを文字で伝える、それに対する感謝の気持ちが
文字になる。
避難場所でもて余している時間のいくばくかが、楽しみの時間に
変わるかもしれないのです。
避難場所では毎日朝礼があるそうです。応援の手紙などが来たときは
それを読み上げるそうです。
本当に勇気付けられると言っていました。
被災地の現場に来てまだ2日ですが、神戸の震災にあった人と行動を共にしながら、
災害ボランティアの役割を考えさせられます。
そして私の中では、その答えは形になりつつあります。
被災地の人たちを元気付けること、勇気付けること。
被災地に向けて手紙を書くことも、その手紙をできるだけたくさんの避難場所に
届けることも、技術も力も必要としないで、誰もができる被災地の人への
勇気付けだと思いました。


神戸では、なんもわからんうちに外からボランティアが仰山来て、
なんやわからんけどすごいパワーで事が動き出して、なんやわからんけど
自分もなんかせんと如何と感じて動き出していた。
いま考えると外からボランティアを通じて元気をもらったのだと思う。
神戸から来た仲間はそう言います。


この現地に居るだけがボランティアじゃない。
元気の流れを作ることもボランティアで、しかも必ずしも現地に居なくても
できるのだと、そう感じて今日は帰路につきました。

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